桜の若木が、柔らかな緑色の葉を揺らしている。
今年もまた、花はつけなかった。
やはりまだまだ、若いのだ。
何か話をしても良かったのだが、隣にいる男はきっと想いに浸りたいだろうから、何も言わずにいた。
というか、もしかして自分がここにいること自体が邪魔か?
(しょーがない、どっかブラついてくっか)
「……長秀?」
急に歩き出した自分に、男は声をかけた。
「ごゆっくり」
片手をあげて言う。
「……ああ」
背後で、微笑っているのがわかった。
今年もまた、花はつけなかった。
やはりまだまだ、若いのだ。
何か話をしても良かったのだが、隣にいる男はきっと想いに浸りたいだろうから、何も言わずにいた。
というか、もしかして自分がここにいること自体が邪魔か?
(しょーがない、どっかブラついてくっか)
「……長秀?」
急に歩き出した自分に、男は声をかけた。
「ごゆっくり」
片手をあげて言う。
「……ああ」
背後で、微笑っているのがわかった。
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