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『 15.それぞれ 』≪≪    ≫≫『 17.青い 』
   
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「ひ~~~死ぬ」
 ほぼ同時に最後の段を駆け上って、三人は倒れこんだ。
 上気した頬が三様に赤い。
「今のはオレだろ」
「いや、俺だよ」
「ばーか、俺様にきまってんだろ」
 息を切らしながら言い合っていると、
「じゃあもう一本!」
と譲が叫んだ。
「次は大差をつけて勝ぁつ!」
 拳を振り上げた記憶喪失の総大将も、まだまだ元気いっぱいのようだ。
 千秋は高耶と譲とともに、学校裏の名物階段までやってきていた。
 運動部の連中がよく練習に使う場所で、いわゆる「地獄の階段上り」というやつだ。
 軽い足取りで下りていく高耶と譲を見送りながら、
「勘弁してくれ……」
と呟いた。
 何でこんなことを始めたかといえば、負けた人間が牛丼を奢るという話だったのだが。
 もう負けでいい、とうなだれる千秋だった。
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