作戦は無事に終了した。
「上手くいきましたね」
隊士達がわらわらと迎えの車両に乗り込んでいくのを横目に見ながら、宿毛からの参加組として来ていた直江が声をかけてくる。
「………」
当然言われるであろうと思っていた言葉が中々直江からでてこなくて、高耶は思わずじっと見つめてしまった。
「何ですか?」
作戦の下準備を任されていた直江が、ひとり乗用車で先に現場へやってきていたことを高耶は知っている。
その車がどこかに停めてあるはずなのだ。
当然、自分はそっちに乗って帰るつもりだったのに。
「お前も一度アジトへ寄るんだろう?」
言外の"送れ"という意図に、直江は気付いた。
「隊内での接触は極力避けるんじゃなかったんですか」
「……蠱毒薬が効くまでは時間がかかる」
だからなるべく同乗する人間は少なくしたいのだ。
「お前だからって訳じゃない」
黙って高耶を見つめていた直江は、声を低くしてこう言った。
「もし同乗するというのなら、すんなり帰れるとは思わないでください」
「───………」
ばかげている、と思うのに。
心のもう片方で、何かへの期待がはちきれそうになっている。
やっぱり他の隊士達と一緒に帰ったほうがいいかもしれない。
激しい葛藤のせいで、高耶は身動ぎひとつ出来なかった。
「上手くいきましたね」
隊士達がわらわらと迎えの車両に乗り込んでいくのを横目に見ながら、宿毛からの参加組として来ていた直江が声をかけてくる。
「………」
当然言われるであろうと思っていた言葉が中々直江からでてこなくて、高耶は思わずじっと見つめてしまった。
「何ですか?」
作戦の下準備を任されていた直江が、ひとり乗用車で先に現場へやってきていたことを高耶は知っている。
その車がどこかに停めてあるはずなのだ。
当然、自分はそっちに乗って帰るつもりだったのに。
「お前も一度アジトへ寄るんだろう?」
言外の"送れ"という意図に、直江は気付いた。
「隊内での接触は極力避けるんじゃなかったんですか」
「……蠱毒薬が効くまでは時間がかかる」
だからなるべく同乗する人間は少なくしたいのだ。
「お前だからって訳じゃない」
黙って高耶を見つめていた直江は、声を低くしてこう言った。
「もし同乗するというのなら、すんなり帰れるとは思わないでください」
「───………」
ばかげている、と思うのに。
心のもう片方で、何かへの期待がはちきれそうになっている。
やっぱり他の隊士達と一緒に帰ったほうがいいかもしれない。
激しい葛藤のせいで、高耶は身動ぎひとつ出来なかった。
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