自分たちは、単なる生物。
そう、思い知らされた。
魂と身体は一体だ。
魂が求めれば、身体が反応する。
身体が感じれば、魂が震える。
死者である自分たちが、命の喜びを貪る日々。
いずれ……罰が下る。
いや、もう下っている。
自分の身体はおかしくなって、男の身体をむしばんでいる。
終わりにしよう、直江。
今度こそ。
オレもおまえも、何度終わりを望んだかわからない。
やっと、その時が来たのだ。
晴れない霧の漂う木々の合間で、高耶は振り返った。
果てしなく罪深い、ふたりだけの楽園。
そこに、終止符を打つ。
─────だからここへは、還らない。
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