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『 33.破壊者 』≪≪    ≫≫『 35.敗北者 』
   
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 反逆、だ。
 この世の理への。
 社会的なルールへの。
 空海や謙信が護ろうとした世界への。
 ───生者への。
「"反逆"の定義を教えてください」
「……大きなチカラに、歯向かうこと」
「ならば私も、大反逆者ですね」
 直江は瞳を伏せて言った。
「私は常に、あなたに逆らってきた」
───……」
 それを聞いて、ふと考えが変わった。
「なあ」
「はい」
「だったら、歯向かうことがイコール敵にはならないのかもしれない」
「?」
「オレがおまえを想うみたいに、いつかオレを受け入れてくれる人が現れるかもしれない」
 直江は傷ついたような顔になって、高耶に手を伸ばした。
「現に、いるでしょう」
 大きな腕で、力強く抱きしめられる。
「誰もがあなたを否定しているわけじゃない」
 ……それは別にいい。否定されたって、構わない。
 自分の意図をきちんと理解したうえで否定されたのなら、仕方がない。
 ただ───
「理解されたいのは、お互い様なんだ、きっと」
 反逆する側もされる側も、相手を否定したいわけじゃない。
 自分が自分として在ることを相手に認めて貰いたいんだ、きっと。
 そう、話したら、
「あなたが理解すべき相手も」
 直江は身体を離した。
「あなたを理解すべき相手も、俺だけでいい」
「直江」
「他人も、世界も、どうだっていい」
 変わらない直江のいつもの調子に、高耶は思わず笑みをこぼした。
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