信長のやり方が憎かった。
力があるのをいいことに、弱者を力でねじ伏せ、面白半分に痛めつける。
正しく在ろうなどとは考えもしない、まるで力そのものが正義かのような振る舞いは、決して許すことなど出来ない。
そしてそれは、何も信長に限ったことではなかった。
ひとりの人間の誤った判断が、巡り巡ってとてつもない惨劇を引き起こす様を、自分は幾度も目撃してきた。
大抵、そういう人間は大義名分を振りかざす。
信念に基づいて引き起こされたはずの行動が、人々の生活を破壊し、当たり前にあるはずの幸福を破壊し、期待に満ちていた未来までをも破壊してしまうことが、何度あっただろう。
───その逆もまたあったはず。
確かに、そうかもしれない。
ひとりの人間が起こす奇跡も数多くあった。
しかし歴史は繰り返す。
また必ず現れるはずなのだ。
"為正の破壊者"。
それが、自分でないと何故言える?
きっと今の自分は、誰の賛同も得られない。
この世界の道理が、自分の意図にそぐわないから破壊する。
これでは信長と何も変わらないじゃないか。
───何のために破壊するのかを考えて。
何のために?
……それは、無力でただ涙を流すことしか出来ない者たちのために。
彼らに、力あるものに負けない"チカラ"を与えるために。
───あなたのチカラはそのためのチカラ。
………その通り。
そうなんだ。
自分の力はその為にこそあったはず。
だから、罪悪感など感じてはいられない。
この瞬間にも、救われない魂が悲鳴をあげながら生まれている。
迷っている暇なんかない。
罪を、未来を、恐れる自分の弱い心を。
いま、破壊する。
力があるのをいいことに、弱者を力でねじ伏せ、面白半分に痛めつける。
正しく在ろうなどとは考えもしない、まるで力そのものが正義かのような振る舞いは、決して許すことなど出来ない。
そしてそれは、何も信長に限ったことではなかった。
ひとりの人間の誤った判断が、巡り巡ってとてつもない惨劇を引き起こす様を、自分は幾度も目撃してきた。
大抵、そういう人間は大義名分を振りかざす。
信念に基づいて引き起こされたはずの行動が、人々の生活を破壊し、当たり前にあるはずの幸福を破壊し、期待に満ちていた未来までをも破壊してしまうことが、何度あっただろう。
───その逆もまたあったはず。
確かに、そうかもしれない。
ひとりの人間が起こす奇跡も数多くあった。
しかし歴史は繰り返す。
また必ず現れるはずなのだ。
"為正の破壊者"。
それが、自分でないと何故言える?
きっと今の自分は、誰の賛同も得られない。
この世界の道理が、自分の意図にそぐわないから破壊する。
これでは信長と何も変わらないじゃないか。
───何のために破壊するのかを考えて。
何のために?
……それは、無力でただ涙を流すことしか出来ない者たちのために。
彼らに、力あるものに負けない"チカラ"を与えるために。
───あなたのチカラはそのためのチカラ。
………その通り。
そうなんだ。
自分の力はその為にこそあったはず。
だから、罪悪感など感じてはいられない。
この瞬間にも、救われない魂が悲鳴をあげながら生まれている。
迷っている暇なんかない。
罪を、未来を、恐れる自分の弱い心を。
いま、破壊する。
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