ヒトの身体には、いくつもの渦がある。
ひとつめは指先に。
では、ふたつめは───?
頭を引き寄せると、渦のある髪に顔を埋める。
「嗅ぐなよ」
犬じゃあるまいし、と高耶は嫌がる。
「太陽の匂いですね」
「汗くせえってことだろ」
「誘惑の香り」
そう言うと、おまえにはな、と高耶は笑った。
「右巻きですね」
「つむじ?そうだっけ?おまえは?」
髪を引っ張られて頭を下げると、
「左だな」
「もうひとつあるんですけどね」
「ああ………頑固者だから」
「あなたに言われたくないですね」
直江が微笑で反論すると、
「おまえが頑固じゃなかったら、世界中の人間が素直を通り越して軟弱者だな」
と言われてしまった。
ひとつめは指先に。
では、ふたつめは───?
頭を引き寄せると、渦のある髪に顔を埋める。
「嗅ぐなよ」
犬じゃあるまいし、と高耶は嫌がる。
「太陽の匂いですね」
「汗くせえってことだろ」
「誘惑の香り」
そう言うと、おまえにはな、と高耶は笑った。
「右巻きですね」
「つむじ?そうだっけ?おまえは?」
髪を引っ張られて頭を下げると、
「左だな」
「もうひとつあるんですけどね」
「ああ………頑固者だから」
「あなたに言われたくないですね」
直江が微笑で反論すると、
「おまえが頑固じゃなかったら、世界中の人間が素直を通り越して軟弱者だな」
と言われてしまった。
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